ミッキースワローの配合が面白い件 ~トーセンホマレボシの可能性~
月曜日のセントライト記念をトーセンホマレボシ産駒のミッキースワローが勝利しました。
父:トーセンホマレボシ
母:マドレボニータ
母父:ジャングルポケット(母父:Nureyev)
母母父:Lyphard
トーセンホマレボシ産駒として初の重賞制覇となったわけですが、ミッキースワロー以外の馬がパッとしないために敬遠されがちな種牡馬でした。まだ産駒がデビューして2年目なので評価も変わってくると思いますが、ミッキースワローの血統構成がかなり興味深いものだったので今回はそれを紹介したいと思います。
まず、血統表を見て思ったのが成績が微妙な母父ジャングルポケットの産駒であること、ディープインパクト産駒と相性の良いLyphardのクロスやNureyevを母系に持っているということです。
母父ジャングルポケットの産駒は今年で7年目ですが、これまでに重賞を勝っているのは去年にFレビューと函館SSを制したダイワメジャー産駒のソルヴェイグだけでした。ダイワメジャー産駒は母父が[2400mG1ウィナー]との組み合わせが成功パターンの1つなので、ジャングルポケット牝馬と合うのは納得できますが、重賞勝ち馬が1頭だけというのは寂しいところです。先回のブログからハービンジャーがジャングルポケット牝馬に合う可能性は考えられたのですが、まさかトーセンホマレボシから2頭目の重賞勝ち馬が出るとは思っていませんでした。トーセンホマレボシ自身はディープインパクト系種牡馬なのでLyphardやNureyev持ちの牝馬と結果が出るのは受け入れやすい話です。
なので、何故か低調な母父ジャングルポケットで結果が出たけど、LyphardやNureyevがディープ系のトーセンホマレボシにはハマったのかな……と最初は思いました。しかし、ミッキースワローの配合はそんな単純は話では無かったのです。
9月に入ってキャロットクラブでは新規募集馬の受付が始まっています。募集馬にトーセンジョーダン産駒がいたので最近たまたま調べていたのですが、そのときにトニービン系とノーザンテーストやクラフティワイフ牝系が好相性というのを目にしていました(トーセンジョーダンやカンパニー等)。そして、トーセンホマレボシが引退してから競馬を始めた自分は気づくのが遅れたのですが、そーいえばトーセンホマレボシはトーセンジョーダン(父ジャングルポケット)の異父弟だったことを思い出します。つまり、ミッキースワローという馬はトーセンホマレボシの母エヴリウィスパー(ノーザンテースト×Crafty Prospector)と母父ジャングルポケットで擬似トーセンジョーダンが血統表に出来上がっていたというわけなんですよね。これはちょっとした衝撃です。何故なら、きょうだいに活躍した馬がいる種牡馬は自身の父系とそのきょうだいの良さを引き出す二重でおいしい配合が作れてしまうからです!
つまり、ミッキースワローの配合は
【1】トーセンホマレボシがディープインパクト系種牡馬なので父系としてLyphardやNureyevを活かすことができる。
【2】トーセンホマレボシの母がエヴリウィスパーなので母父ジャングルポケットを通して血統表にトーセンジョーダンを再現できる。
という2段構えの構造だったわけです。
血統に関してはニックスや奇跡の血量、ファミリーナンバーくらいしか知らず、相似配合などは何となく聞いたことがある程度だったわけですが、少なくとも自分が競馬を始めてからはこの手の配合は聞いたことが無かったですし、今までで一番おもしろいと思いました。過去に日本でこのような配合が成功したことはあったのでしょうか?海外だと既にありそうな気もしますが、何にせよトーセンホマレボシは可能性に満ち溢れた種牡馬であり、偶然か必然かミッキースワローという名馬は誕生したわけですね。稀代のディープインパクトの血を継ぐ種牡馬かつG1馬トーセンジョーダンの弟という条件が揃って初めて成せる技であり、ブラッド・スポーツとしての競馬の魅力がここに詰まっていると感じます。来年からはトーセンホマレボシの種付けが増えそうそうですし、伸び悩んでいたジャングルポケット牝馬の救世主にもなれるかもしれません。ミッキースワローのセントライト記念優勝は血統の奥深さと馬産地の盛り上がりをもたらしてくれる極めて有意義な1勝になったと思います。
父:トーセンホマレボシ
母:マドレボニータ
母父:ジャングルポケット(母父:Nureyev)
母母父:Lyphard
トーセンホマレボシ産駒として初の重賞制覇となったわけですが、ミッキースワロー以外の馬がパッとしないために敬遠されがちな種牡馬でした。まだ産駒がデビューして2年目なので評価も変わってくると思いますが、ミッキースワローの血統構成がかなり興味深いものだったので今回はそれを紹介したいと思います。
まず、血統表を見て思ったのが成績が微妙な母父ジャングルポケットの産駒であること、ディープインパクト産駒と相性の良いLyphardのクロスやNureyevを母系に持っているということです。
母父ジャングルポケットの産駒は今年で7年目ですが、これまでに重賞を勝っているのは去年にFレビューと函館SSを制したダイワメジャー産駒のソルヴェイグだけでした。ダイワメジャー産駒は母父が[2400mG1ウィナー]との組み合わせが成功パターンの1つなので、ジャングルポケット牝馬と合うのは納得できますが、重賞勝ち馬が1頭だけというのは寂しいところです。先回のブログからハービンジャーがジャングルポケット牝馬に合う可能性は考えられたのですが、まさかトーセンホマレボシから2頭目の重賞勝ち馬が出るとは思っていませんでした。トーセンホマレボシ自身はディープインパクト系種牡馬なのでLyphardやNureyev持ちの牝馬と結果が出るのは受け入れやすい話です。
なので、何故か低調な母父ジャングルポケットで結果が出たけど、LyphardやNureyevがディープ系のトーセンホマレボシにはハマったのかな……と最初は思いました。しかし、ミッキースワローの配合はそんな単純は話では無かったのです。
9月に入ってキャロットクラブでは新規募集馬の受付が始まっています。募集馬にトーセンジョーダン産駒がいたので最近たまたま調べていたのですが、そのときにトニービン系とノーザンテーストやクラフティワイフ牝系が好相性というのを目にしていました(トーセンジョーダンやカンパニー等)。そして、トーセンホマレボシが引退してから競馬を始めた自分は気づくのが遅れたのですが、そーいえばトーセンホマレボシはトーセンジョーダン(父ジャングルポケット)の異父弟だったことを思い出します。つまり、ミッキースワローという馬はトーセンホマレボシの母エヴリウィスパー(ノーザンテースト×Crafty Prospector)と母父ジャングルポケットで擬似トーセンジョーダンが血統表に出来上がっていたというわけなんですよね。これはちょっとした衝撃です。何故なら、きょうだいに活躍した馬がいる種牡馬は自身の父系とそのきょうだいの良さを引き出す二重でおいしい配合が作れてしまうからです!
つまり、ミッキースワローの配合は
【1】トーセンホマレボシがディープインパクト系種牡馬なので父系としてLyphardやNureyevを活かすことができる。
【2】トーセンホマレボシの母がエヴリウィスパーなので母父ジャングルポケットを通して血統表にトーセンジョーダンを再現できる。
という2段構えの構造だったわけです。
血統に関してはニックスや奇跡の血量、ファミリーナンバーくらいしか知らず、相似配合などは何となく聞いたことがある程度だったわけですが、少なくとも自分が競馬を始めてからはこの手の配合は聞いたことが無かったですし、今までで一番おもしろいと思いました。過去に日本でこのような配合が成功したことはあったのでしょうか?海外だと既にありそうな気もしますが、何にせよトーセンホマレボシは可能性に満ち溢れた種牡馬であり、偶然か必然かミッキースワローという名馬は誕生したわけですね。稀代のディープインパクトの血を継ぐ種牡馬かつG1馬トーセンジョーダンの弟という条件が揃って初めて成せる技であり、ブラッド・スポーツとしての競馬の魅力がここに詰まっていると感じます。来年からはトーセンホマレボシの種付けが増えそうそうですし、伸び悩んでいたジャングルポケット牝馬の救世主にもなれるかもしれません。ミッキースワローのセントライト記念優勝は血統の奥深さと馬産地の盛り上がりをもたらしてくれる極めて有意義な1勝になったと思います。