父:エピファネイア
母:タイタンクイーン
母父:Tiznow
厩舎:池添学(栗東)
シルクの2024年度(23年産駒)の1次募集の結果が発表されました。今年は昨年に続いてエピファネイア産駒であるタイタンクイーンの23を抽優馬に選びました。公開された申し込み状況を見ると抽優が226口の応募ということですので、実績で当選した人の分が引かれるとほぼ100%に近い当選確率だったのではないかと思います。実績で当選するためには最低でも173.6万円の出資実績が必要なわけですからこれだけの馬をピンポイントで獲得できる抽優という制度はありがたいですよね(当たればの話……!)
募集動画の動きはこの馬が最も良かったです。前脚は柔らかく、後肢の伸びは素晴らしいですし、故障のリスクとなるような箇所も見当たりませんでした。ツアー動画ではぎこちないところもありましたが何度かスロー再生したところ、引き手の方に脚が当たらないようにあのような動きになったのではないかと推察しました。ツアーでは「いつでも移動できる」というお話だったようですし、現に早来には8月7日に最速のグループで移動していますから、あの動画で人気が落ちていたのならラッキーだったのではないでしょうか。
馬体はフレームが大きめですがそれは走るエピファネイア牝駒の特徴であり、クラシックで活躍したデアリングタクトやステレンボッシュ、そしてロパシックとも同じです。2400mもこなせるクラシック向きの馬体をしていますから、あとはマイルに対応できるスピードがあれば楽しみは広がりますね。
血統はエピファネイア産駒の場合、サンデーサイレンスの無い配合はSeattle Slewが欲しいのですが(ダノンデサイル、イズジョーノキセキが該当)、ばっちりクリアしていますし、
血統表の上から
・In Reality(ジャスティンカフェ、セルバーグ、※エフフォーリアはWar Relicのクロス)
・Lyphard(ステレンボッシュ、アリストテレス、エピファニー、セルバーグ)
・Mr. Prospector(デアリングタクト、ブローザホーン、ダノンデサイル、ステレンボッシュ、イズジョーノキセキ、ジャスティンカフェ、エピファニー、イフェイオン、ビザンチンドリーム)
・Danzig(デアリングタクト、モリアーナ)
など重賞で結果を出しているエピファネイア産駒との共通点が多数あります。
※青字は位置も同じ
中でも優れているのはHasty Roadの血を持っている点です。これはクラシックで結果を残したデアリングタクト、エフフォーリア、ダノンデサイルが内包しており、Hasty Roadの母であるTraffic Courtまで含めるとステレンボッシュも該当するのでクラシックを制覇した4/4頭と共通します。Traffic Courtはキングカメハメハにも入っている血ですのでエピファネイアと相性が良いのは納得なのですが、Hasty Roadは上に挙げた血と比べてもあまり話題になることのないマイナーな血統ですから、その上でこれだけの結果を出していることを考えると相当なニックスだと言えます。ちなみにHasty Roadはテンハッピーローズやイフェイオンなどの母系にも存在します。
母が18歳時の産駒であることは懸念材料になりますが、タイタンクイーンはクラブで活躍したストロングタイタン、ギルデッドミラーの他にレネーズタイタン、ファッションアラート、ミラアイトーンなど異なる種牡馬で重賞級の馬を輩出している極めて優秀な繁殖です。また、ロパシックの母であるツルマルワンピースと同様に芝で走るオルフェーヴル産駒を輩出する繁殖は希少かつ有能ですから(エアトゥーレ、パレスルーマー、ソーマジックなど)、まだまだ大物を誕生させてくれると期待しています。
今年は中間発表などからほぼ確実に出資できそうだとは思っていましたが、無事に新たな【推し】と出会うことができて良かったです。2年ぶり2度目の池添学厩舎ということで、サフィラの果たせなかったクラシック制覇をこの馬に託したいです。